ここが変だよ!セラピストの新人教育

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今回は、セラピスト業界で行われている新人教育での問題点

僕が理想とする新人教育について書いていきたいと思います。

 

僕は以前から教育に興味があり、職場でも新人教育に携わっております。

そんな僕が問題に感じている事や、実際にどうすれば良いと考えているか?について

紹介していきます。

 

あー!それ本当におかしいよね!

なんて共感していただける問題ばかりだと思いますので、

是非最後までご覧ください。

 

それでは参りましょう!

 

目次

問題1 「自分で考えろ」教育

一つ目は

「手取り足取り教えてもらえると思うな。自分で考えるんだ」

というような放置される教育です。

偏見ですが、職人気質なセラピストがトップの職場に多いと思います。

 

ほとんどの場合、新人セラピストはまず初めにセラピストの見学から始まります。

そこで

この患者さんはコアマッスルが効いていないから、右足で踏み込んだ時にグシャって崩れてしまうから膝が痛むんだ

というような説明を受けて

コアマッスルが効かないと、グシャってなるのは何でなんですか?

と質問してみても

初めから答えを求めるな!自分で考えるんだ!

と言われてしまう。

 

こんな事って良くありませんか?

確かに自分で考える事は大切です。

 

しかし、この教育の一番の問題点は

上達するのに時間が掛かるので患者さんに迷惑が掛かる

という事です。

 

例えば、

寿司職人が新米に対して、「いきなり手取り足取り教えない。師匠を見て盗め!」というような教育をしたとしても

寿司職人は技術が上達するまでお客さんにお寿司を振舞うことがありませんので、

このような方法でもお客さんに迷惑が掛かることはありません

Photo by Thomas Marban on Unsplash

 

しかしセラピストの場合、多くの病院で新人の頃から担当患者さんを任される為、

まだ未熟であるセラピストが

自分なりに見て・考えた方法を患者さんに提供していくことになります。

 

これでは良い治療が出来るとは思えません。

 

セラピストとしては、悩み・苦しんだ事によって成長していくかもしれませんが、

患者さんの事を考えると、組織として最低限の質の確保は義務です。

 

セラピストとしての成長だけでなく、患者さんの不利益にならないような教育というのも意識していきたい所です。

問題2 何事も「積極性」で判断されがち

2つめは、何かと「積極性」で評価される事が多いという事です。

 

あいつは良く本を読んでいるし、質問も沢山してくれる=優秀なスタッフ

まじめに働いているけど、あまり質問もしないし、意見も言わない=ダメなスタッフ

 

という評価ってされがちじゃないですか?

 

実際、やる気があって積極的なスタッフの方が、

勉学に励み、仕事も熱心にやる事が多いと思いますので、

評価されやすいと思いますし、僕もついそのような評価をしてしまいがちです。

 

これは学生さんでも同じで

PT OT STのつらい実習を有意義にするためのコツ

もし評価されたいと思うなら、なるべく積極性を出していった方が良いです。

 

しかし、「積極性がある」というのはそのスタッフの長所の一つにしか過ぎません。

 

「彼は積極的だし、熱心だから大丈夫だろう」

この思い込みは、

・積極的でないスタッフの意欲をさらに奪っていく

・積極的なスタッフの態度がどんどんデカくなっていく

という危険を持っています。

 

例えば、同じミスであったとしても

積極性があるスタッフは「次に活かそう!」と励ましてもらえるが

積極性がないスタッフは「普段から消極的なのが問題ではないのか?」などと言われてしまう。

 

これでは、

積極的なスタッフは

「失敗なんて気にしないで次!」と反省する機会を失ってしまったり

消極的なスタッフは

「消極的なのは昔からだから、どうすればいいの・・・」

と具体的に何を反省すればよいか分からず、ただただ落ち込むばかりになります。

 

もしかしたら、普段から積極的なスタッフの方が、消極的なスタッフと比べて問題行動をしているかもしれません。

 

・積極性がある=優秀
・積極性がない=ダメ

ではなく

・彼は積極的だが、同僚や患者さんに対する態度がきついときがある
 臨床推論は得意そうだが、病態把握は怠っていることがあるな

・彼はルールをきちんと守るが、学習や仕事に対しては消極的だな
 問診も非常に丁寧だが、触診が苦手そうだな

といった具合に、短所長所共に観察したうえで、適切に評価・指導していきたいですね。

 

問題3 1トップ独裁の宗教的な組織になる

これは1人のカリスマ的セラピストがいる職場に多いと思いますが、

理学療法=この手技

という風に固定されて、他の手技を使ってはいけないという環境です。

Photo by Mateus Campos Felipe on Unsplash

手技が固定されている分、

・安定した治療を患者さんに提供出来る
・セラピスト同士の申し送りやディスカッションがし易い

といったメリットがある反面

・違った治療法を学んだり、使用する事への風当たりが非常に強い
・上下関係がはっきりしていて、パワハラが起きやすい
・自分で考える機会を失う

 

といったデメリットも多いと思います。

 

以前そのような1トップがいる職場で働いていた知り合いに

「今まで本とかはどんなの読んでた? それとも論文?」

と質問したら

本は読んでなかったなー、
論文はまあ読んでたけど・・・そんなに多くは読んでない

と返ってきたので

えっ?じゃあ何で勉強してたの?

と聞いたら

○○先生に教わってた

と返ってきたことがありました。

色々とご意見ありそうですが、

僕はこのような職場にはしたくありません。

 

僕が実現したい新人教育

僕が実現したい新人教育は

①クリニカルラダーに基づいた新人研修を修了

②その後は各自メンターを見つけて研鑽を積む

という流れです。

 

メンターとは、簡単言えば”師匠”の事です。

 

院内でも院外でも、また複数人でも良いと思っています。

 

なぜこのような流れにしたいのか?

それは先ほど紹介した新人教育における様々な問題点を解決できると思うからです。

 

問題点1 自分で考えろ教育 に対して

クリニカルラダーに基づいて一つ一つ知識と技術を身に着けていくため

質の最低限の担保が可能となります。

 

質を最低限担保した上で、セラピスト個人が悩んだり、調べたり、師匠を探すことで次のステージに進んでいくことが出来ます。

 

問題点2 積極性で判断されがち に対して

 

クリニカルラダーによって評価されるため、積極性は長所や短所の一つとして評価することが出来ます。

「もっとやる気を見せろ!」

ではなく

「触診による病態把握までは出来ていたみたいだね。
あとはストレッチの強さが足りなかったかもしれないから練習してみよう」

この間の患者さん、良くなったみたいだけど
病態把握しないまま治療に入ってたよね。
今後の為にも触診や評価を見直した方が良いかもよ

などと具体的な指導やアドバイスが出来るようになります。

 

また時折、積極性を間違って発揮していまい

僕はエネルギーを使って触れないで治します!

というようなスタッフが出てきたとしても

うちの職場では、その方法は認められない。
まずはラダーにある評価法や治療法をしっかり学んでみてから

他の治療法を学んでみてね

と言うことが出来ます。

 

積極性に乏しいスタッフに対しても、

具体的な課題を明確にして一つづつ解決していくことで

取り残されることなく技術を向上させていくことが出来ます

 

問題点3 1トップ独裁の宗教的な組織になる に対して

クリニカルラダーは質の最低限の担保に留めることで、

セラピストが自分で考える余力を残すことが出来ます。

 

「最低限これだけ身に着けてもらえば、あとは自分なりに考えてみて」

このようなスタンスで教育を行っていけば、独裁的な組織・教育にはなりにくいと思います。

 

みんながみんな仕事を第一に頑張ることは出来ません。

・給料はそこそこでもいいから自分のやりたいことをして生きていたい

・子育てにしっかりと時間をかけたい

・臨床よりも教育に興味がある

などなど

様々な人生プランにフィットするような働き方を考えられるように、

院内だけでなく院外にも目を向けて、

「この人のようになりたい!」と思えるようなメンターを見つけられればと思います

まとめ

セラピスト業界の新人教育の問題点として

1.自分で考えろ教育

2.何かと「積極性」で判断されがち

3.1トップ独裁の宗教的な組織になる 

があり、

それを解決するには

①クリニカルラダーに基づいた新人研修を修了

②その後は各自メンターを見つけて研鑽を積む

という流れが良いのではないでしょうか?

 

皆さんはどのような教育を受けたいですか?したいですか?

 

是非ご意見お待ちしています!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

これからもセラトクをよろしくお願いいたします!

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